短編・連作小説 休日の朝

今日は休日。

朝、目が覚めると時計はまだ7時を少し過ぎたところだった。

「……休みなのに、また早く起きちゃった」

二度寝するには微妙な時間。かといって、すぐに動き出すほど元気でもない。
布団の中でぼんやりしながら、スマホを見たり、天井を見たり。
しばらくそうしていたけれど、結局そのまま起き上がることにした。

朝ごはんは、適当でいい。
昨日の夜に炊いて余っていたご飯をレンジで温めて、冷蔵庫にあった卵で卵かけご飯にする。
あとはバナナを一本。

「こういうので、充分なんだよなぁ」

特に誰かに見せるわけでもない、自分のためだけの朝食。
簡単だけど、自分らしくてほっとする。
食べ終わって食器を流しに運ぶと、洗濯機の上に置いたままの洗濯カゴが目に入った。
タオルや衣類が思っていたよりも溜まっていた。

「洗濯もしないと」

スイッチを入れて回し始めている間に、掃除機をざっとかける。
ついでに今日はお風呂とトイレの掃除もしてしまおう。

最近、鏡の水垢が気になっていた。
気が向いたときにやらないと、いつまでも放っておいてしまうから。
普段は仕事の後に「まあいっか」と先送りにしてしまう家のことも、こうして一つ一つ終わっていくと、なんとなく自分を褒めたくなる。

気がつけば、もうお昼前。
窓の外から聞こえる蝉の声が、日に日に力強くなってきている。
洗濯物を干し終えて、ようやく一息つく。

「さて……お昼どうしようかな」

ソファに座りながら、ふと冷蔵庫を開けて中をのぞく。

「……あ」

パンも麺も残っていないし、卵も今朝で使い切ってしまった。
買い置きしてあった冷凍食品も底をついている。

「あそこに行こうかな」

頭に浮かんだのは、よく行く駅前の小さなカフェ。
スーパーの近くにあって、ランチも手頃で落ち着いた雰囲気が気に入っている。

近場だけど一応軽く化粧をする。
リュックにスマホや財布、そしてエコバッグを入れて玄関に向かう。

外は暑そうだけど、美味しいご飯のために出かけよう。
そう思いながら、部屋の中をゆっくりと歩き出した。

あとがき

家にいる時間を少しずつ整えていくと、不思議と心も整っていく気がします。
大きなことはしなくても、洗濯したり、掃除をしたり、朝ごはんを食べたり。
そういう積み重ねが「今日はちゃんと過ごせたな」と思える日常になるのかもしれません。

誰にも見せない日常だけど、だからこそ大切にしたい「自分だけの静かな時間」。
そんな休日もいいなと思っていただけたなら嬉しいです。

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