短編・連作小説 番外編 1月2日の店長 30.5話まで終えてのあとがき

番外編 1月2日の店長

店の開店は明日からだが、昼過ぎに少しだけ店舗と倉庫に顔を出した。

送り買取の状況を整理しておきたかった。

「さてさて、どんな感じかな」

シャッターを上げて倉庫の中に入ると、ひんやりとした空気が肌に触れる。

寒いな、と一瞬思ったが、すぐ出るのだからと暖房は入れなかった。

倉庫を覗く。

……やっぱり、それなりに来てるな。

箱をいくつか開けながら、大きなものと小さなものをお客様別に分けていく。大きな荷物は今日は手をつけない。

小さなものだけを選び、箱にまとめて店舗へ運んだ。
この作業を少し進めておくだけで、明日の二人の負担はだいぶ減るはずだ。

作業時間は三十分ほど。

「よいしょっと」

荷物を置き作業を終え、店内を見回す。
営業していない店は静かで、いつもとは違う顔をしている。

この店舗も、少しずつ人が増えた。

以前は他店へのヘルプや応援に出ることも多かったが、今はある程度、二人体制で回せるようになってきた。

通販業務もあるから、仕事が手空きになることはほとんどないけれど。
アルバイトの人たちにも、感謝しないとな。

新年早々、出勤してもらうことになるし。

箱を所定の場所に置き、電気を消す。

明日から、またいつもの日常が始まる。

よし。一仕事終わったしビールとつまみ買って帰るか。と心の中で呟いて店を出た。


30話まで書き終えてのあとがき

私が川嶋さんシリーズを投稿し始めて、五ヶ月が経ちました。

過去編はカウントせず、年末年始の話でちょうど三十話になります。
これは偶然なのですが、ひと区切りという意味でも、少し嬉しい気持ちになりました。

二十話まで書き終えた頃、何か新しいことを始めたいと考えるようになりました。

その一つが、過去編です。

二十話までを書き切ったあと、通常の話も投稿しながら、少しずつ進めていきました。

川嶋さんシリーズは、日常を描く物語です。
あまり根本的な部分を変えてはいけないと意識しつつ、過去編を執筆してきました。

川嶋さんがどんな人なのか。

過去編を書いてきたからこそ、私自身も以前より、川嶋さんという女性がどんな人なのかを、少しずつ掴めてきた気がしています。
店舗で働く人たちも同じくです。

今の目標は、過去編を完結させ、川嶋さんシリーズとして一年を描き切ることです。

夏から始めたシリーズなので、冬、春、そして新たな夏までは続けていきたいと考えています。

川嶋さん自身がどんなふうに変化していくのか、それは、今の私にもまだ分かりません。

お正月の話のように、複数回で一つの話になるエピソードも、今後増えるかもしれません。

気軽に読んでいただけるシリーズですので、これからもお付き合いいただけたら、とても嬉しいです。

今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。