私が精神的に疲れていた時期、私は「楽しい」という感覚をすっかり忘れていました。気力が湧かない。
休日も、どこへ行きたい、何をしたいという気持ちが起きず、時間だけが過ぎていく。
家の中でぼんやりしているうちに、一日が終わってしまうばかりでした。
休みたかったと言えばそれまでですが、「やりたいことがない」状態がとても辛かったのを覚えています。空白の時間が続けば続くほど、心が重くなっていくのを感じていました。
そんな時期、ある方に言われた言葉があります。
「毎日の、ほんの小さなことでも楽しいと感じられると、人生はすこし軽くなりますよ」
その言葉は、当時の私にはうまく飲み込めませんでした。小さなこと、とは何だろう。そもそも、それがないから困っているのに、と。でも、その方は続けて、いくつかの例を挙げてくれました。
例えば外へ出てみて、空が青かったら「今日は空が青くて綺麗だな」と思ってみる。
歩いている途中で野良猫に出会ったら、ほんの少し心が緩むかもしれない。
外に出る気分じゃない日は、家の中でのことでもいい。
コーヒーや紅茶を丁寧に入れてみたり、好きなものを食べたり、お酒を飲んだり。
自分の気持ちがふっとほぐれる瞬間を、自分でつくるだけでも違うんですよ、と。
その時は「そうですか」と思っただけでした。当然、そんなにすぐ人間の性格が変わるわけではありません。
それでも、頭の隅に少しだけ、その言葉は残り続けました。
楽しくしようと頑張るのではなく、ただ小さな良いことを拾ってみるだけでいい。
それから時間は経ちましたが、私はその言葉を今でも時々思い出します。
最近、久しぶりに癒し系のスローライフゲームを再開しました。ずっと放置していた島に戻ると、相変わらずのんびりした可愛い住民たちが過ごしていました。
ゲームの中の小さな島の世界なので、何か大きな出来事が起きるわけでもありません。でも、私には癒しの時間でした。
癒される場所というのは、「外に出なきゃ」「何かしなきゃ」ではなくて、自分がやりたいと感じることをすればいいのだと思います。何もしたくないなら、それもひとつのリラックス方法だと思います。
実際、朝から夜にかけて空がきれいだと感じる日もありますし、猫や犬に出会って可愛いなと思う日もあります。
家の中で小さな楽しみを見つけられる日もある。そして、疲れて何もしたくない時は、何もしない。
それが「出来ているかも」と思えた日は、実際少しだけ気持ちが少し軽くなりました。
あの日かけてもらった言葉は、今も静かに私の中にあります。大きな幸せがあれば一番いいですが、それが見つからない時は、小さな心地よさに気づける日があるだけで、少し癒される気がします。