一本の電話

長い間、私は自分の中に小さな部屋を作って、その中で暮らしていた。
外の世界は明るすぎて、うるさすぎて、私には眩しすぎた。
大人になれば自然と外に出られると思っていたけれど、現実は違った。
仕事に行って、最低限の会話をして、家に帰る。
その繰り返しで、一日が、一年が、あっという間に過ぎていった。

休日も、スマホやゲームをしているうちに、気づけば夜になっていた。
変わらなきゃ、と思うことは何度もあった。
でも、何から手をつければいいのか分からない。
「これをやりたい」と思っても、思うだけで終わる。
スマホでSNSやネット検索を調べても、成功者の体験談はまぶしすぎて、ページを閉じるばかりだった。

ある日、ふと鏡の中の自分を見た。
そこには、笑っていない顔があった。

そんな毎日が続く中で、胸の奥で「このまま目が覚めなければいいのに」と思う日が、少しずつ増えていることに気づいた。
気づいたとき、次の日を迎える事が少しずつ怖くなっていった。

そんな毎日を過ごしていたある日、一本の電話が鳴った。
その電話で、私は怖かったけれど「一歩踏み出したい」と思った。
踏み出した先に何が待っているのかは分からなかったけど、何もしないよりはましだと思った。

それから、本当に様々な出来事があった。
何度も何度も失敗、後悔、不安を繰り返した。
思い通りにならないことも多く、「やっぱり殻に閉じこもっていた方が楽だ」と、何度も思った。

でも逆に少しだけ前向きになれる出来事もあった。
休日にふらっと散歩しよう、出かけようと思う事が増えた。
以前はあまり会う事もなかった友人と少しだけ会う機会も増えた。
私はそうやって少しずつ外の空気に慣れていった。

あれから3年。
私は少しだけ変わった。

「目が覚めなければいいのに」と思うことが、最近はなくなった。

まだまだ課題はたくさんある。
やりたいことも見つからない。

このnoteを書くことも、やってみたかったことなのかは自分でもわからない。

未来のために出来ること。
それは、大きな夢や計画じゃなくてもいい。

たった一本の電話から、人生が変わることもある。

そして、もしこの記事を読んで、少しでも前向きになろうと思ってくれる人がいてくれたら、私はとても嬉しいです。

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